"SAYURI" 〜粋(すい）の中の悲しみ〜 [COOL MOVIE]
待望の『SAYURI』公開。絢爛な日米中国のコラボレーション！
この美しさ。チャン・ツィイーさん最高でした。チャン・イーモウ監督作品『初恋のきた道』（'00)から、5年。大人の女性に成長しましたわ。アン・リー監督の『グリーン・デスティニー』('00)以降の彼女の活躍は万人の知るところだけど、(最近は日本のTVCMにも出演、知名度を更に上げた)彼女のGEISYA姿（舞台は京都なので、正確には”芸子”姿）には、ホレボレとした。
さて、この作品の主なキャストとスタッフは、以下の通り。
＊キャスト＊
＊スタッフ＊
製作 スティーブン・スピルバーグ／ダグラス・ウィック／ルーシー・フィッシャー
監督 ロブ・マーシャル（'02『シカゴ』のアカデミー賞6部門獲得）
音楽 ジョン・ウィリアムズ
編集 ピエトロ・スカリア,ACE
撮影監督 ディオン・ビーブ,ACS,ASC
プロダクション・デザイナー ジョン・マイヤー
衣装デザイン コリーン・アトウッド
音楽は、ルーカス、スピルバーグ映画でおなじみのマエストロ。ジョン・ウィリアムズ氏。そして、チェロ奏者には、ヨーヨー・マ氏。二人は妖しげな雰囲気を醸しだした。また、プロダクション・デザイナーは、前回『シカゴ』のアカデミー美術賞受賞のジョン・マイヤー氏の続投で、昭和初期の京都花柳街を再現した。
『ラストサムライ』『バットマン・ビギンズ』に次ぐ出演で、もはやハリウッド俳優としてのスタンスを固めた渡辺謙さんと、大注目の大後寿々花ちゃんは、『北の零年』（'04)に続いての共演で、息もぴったり。
桃井かおりさんは、ミシェル・ヨーさんを英語のセリフの先生として特訓してもらったとか。（徹子の部屋で言ってた。）その甲斐あって、本番の撮影では、二人があたかも旧知の仲のような自然な演技が出来たそうだ。
あの気だるい感じがとうとう《置屋のおかあさん》を演じる時のリアリティに繋がるとは誰が想像できたであろうか？！
工藤夕貴さんもジム・ジャームッシュ監督作品『ミステリー・トレイン』('89)に18歳で出演以来、ハリウッドを始め世界中で大活躍、英語の流ちょうさだけでなく、そのニュアンスを正確に伝える演技が随所に光っていた。
意外だったのは、役所広司さんの好演。（失礼しましたっ！）顔と心に傷を負った複雑な役どころで、日本での軽薄なプレイボーイ役からは大きく離れて、男の切実な恋を情熱的に演じていた。終始、役名の"のぶさん、のぶさん"と言う声がかかり、なんか他人事ではありませんでした･･･。(^_^;)
とまあ、さすがに総製作費１億ドル（１２０億円)とも言われるこの作品。これでもか！と言うほどの豪華絢爛なセットも、チャン・ツィイーさんのこの艶やかさには、かなわないでしょう。
・・・と絶賛するこの作品だが、気になるのはやはり、監督を始めとするハリウッドの連中がどこまで日本文化に敬意を払っているかだろう。愛情なくしては到底、過酷な映画づくりなど出来ないだろうが、そこはそれ、文化の違いもあるから、いつも以上にシビアに観てしまう。
やはり、いくつかが気になった。まずは、昭和初期の物語で昔を強調したかったかも知れないが、街を汚しすぎ。街が塵だらけで、薄汚れている。ハッキリ言って、小粋な旦那衆が遊びに行けたものではない！”こ綺麗でこざっぱり”と言う、この重要な日本人の感性を学習できなかったらしい。
また、アメリカ人が好きな”東洋の神秘”を強調するためのライティング。神秘さを通り越しておどろおどろしい。華やかな京の春の晴れ舞台《都をどり》が、なにやら妖しげなストリップ劇場かと見紛うばかりで、その過剰演出には正直ガッカリした。
そして、またしてもと言うか、ありえないのが、幼き《SAYURI》がゲタを履いたままお茶屋の二階に上がってしまうシーン。その撮影現場に日本人はいなかったのか？残念！
まあ、気になりだしたら、当然、日本人なら誰しも気がつく《変な日本》はあるが、その汚点を補って有り余る程の素晴らしさがこの作品にはある。
それは、花柳界で生きる事を定めとしながらも一縷の夢を諦めない気丈さを、儚さの中に表現する《SAYURI》の繊細な演技だ。チャン・ツィイー、貴女は美しい･･･・！
＊ニッポン無責任BLOG予告＊
来週は、ピーター・ジャクソン監督作品『KING KONG』のレヴューです！(^o^)
綺麗な女性は理屈ぬきに好きです。
国境も人種も文化も宗教も関係ありません/笑
コン・リー懐かしい！ウォン・カーウァイの『天使の涙』に
出てた人ですよね？確か。。あれ？違ったかな？^^;)
by offbeat (2005-12-11 00:06)
そんなＣ調なあなたは、今日からクレージーのメンバーに入れてあげよう。（笑）
それから、カーウァイ監督の『天使の涙』の女優は、どうやら、コンさんじゃなくて、ミシェルさんですね。同じりーさんでも。ちなみに、カーウァイ監督とコンさんの映画としては、あのキムタクも出た『2046』辺りが新しいです。これには、我らがチャン・ツィイーさんも出ています。大体中国映画のキャストは、10数人程度の順列組み合わせなので、こんがらがってきますよね。(@_@)
by nobby (2005-12-11 00:44)
これ読んで、見てみたくなりました！
でも「初恋のきた道」、ウッチャンナンチャン（死語？）の
内村さんが、「人生で５本指に入る」って断言するから
見たんですけど、夫婦でピンと来なかった記憶あり。
顔は好きなんだけどな～。
by (2005-12-11 10:31)
この《SAYURI》こそ、ご夫婦でご覧下さい。『初恋・・・』は、女性の一人称で描いた作品ですが、この作品は、男と女がそれぞれの立場で情熱を燃やす恋物語なので、見終わった後にきっと話が尽きないと思いますよ〜。
by nobby (2005-12-11 11:12)
>optsaru さん。nice! Thanks でした。
by nobby (2005-12-11 11:32)
ＳＡＹＵＲＩ 見に行かれたのですね。確かに とても 美しいですね。
本来の 日本の芸者とは ちょっと 違う所があると
思うのですが これが 外国からみた 日本の芸者なのかなと～
ただ ストーリ的に 情熱的な恋は 是非 見たい作品です。
私は 次回の キングコングが 見たいんですけどね。
by Runa (2005-12-11 18:24)
>Runa さん、今晩は。是非ご覧下さい。でも、こんなまつげの長い芸子さん、いませんよね〜。（笑）ま、劇場で観る価値はあると思います。さて、次週公開の《KING KONG》。あの《ロード・オブ・ザ・リング》のピーター・ジャクソン監督作品で、主演女優が演技に益々磨きのかかるナオミ・ワッツ。昨年に続いてのアカデミー賞受賞は固いでしょう。本年度、最注目作品の一つですね。
by nobby (2005-12-11 20:39)
たのしそう。 本題より間違い探しに必死になりそうです・・・（＾＾；
日本の良く知っている俳優さんたちの英語も気になります
by a-k-i (2005-12-11 21:29)
>a-k-i さんもご覧あそばせ。南果歩さんと結婚した絶好調の渡辺謙さんがゲットしたおいしい役は、女性が見ても羨むでしょう。彼は今、この世の春を思う存分満喫しています。幸せのおすそ分けをスクリーンからでも、してもらいましょう。
by nobby (2005-12-12 00:20)
>HAL さん、nice! Thanks でした。
by nobby (2005-12-12 15:40)
ＳＡＹＵＲＩ ジュリアも観たいと思ってました！
ジュリアも女性の美について追求しようと頑張ったことがあるけど・・・内面がともなわないと薄っぺら女になると気づきましたが、チャン ツィイーさんは役に徹する姿勢が美しいですね。
by hawaii7 (2005-12-12 21:01)
>ジュリアさんが、この映画を観てどんな感想を持ったのか、また教えて下さいね。チャン・ツィイーさんも北京舞踏大学付属中学でダンサーを目指して厳しい訓練を受けていました。あの美しい演技は鍛え上げられた肉体が基礎となっているように思えます。ジュリアさんもダンスをがんばって、更に女に磨きをかけて下さい。
by nobby (2005-12-13 09:48)
HollyWood映画の“日本描写”って、ど～しても (?_?) が 多くて、
これは、映画館で観てないんです～。
工藤夕貴ちゃん＆桃井さんは 観たいんだけど…
by KANAchanMaMa (2005-12-30 01:17)
>工藤さんも桃井さんもいいけど、チャン・ツィイーさんは？あまりご興味ない？
ハリウッドが認めるだけに、圧倒的な存在感がありますよ〜。
by nobby (2005-12-30 01:51)
↑…やはり、日本人の設定は、日本人女優さんに 演じてもらいたかっただけデス。
「LOVERS」の彼女は スゴかったです。チャーリーズ・エンジェル（!?）みたいで…
by KANAchanMaMa (2005-12-30 01:55)
>そうですね。日本人女性に演じてもらいたかったですね〜。
彼女に匹敵する俳優さんがいなかったとも思えないし、
そこは、もっとアピールして欲しかったです。
by nobby (2005-12-30 02:09)
↑…Ｉ Ｔｈｉｎｋ Ｓｏ。。。
by KANAchanMaMa (2005-12-30 02:32)